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末期においてなお、満面に悪意を浮かべ。
最後の虐神は嗤う。
生き残った二人の戦士に、理解という名の大いなる失望、絶望を強いる。
「 |
悪神と言えど、神は神。
神が神として現世に受肉、受胎を為すにあたり、神を知る者なき時代は、いかにも不都合。
神の依代となりうる特別な者がいなければ、やはり困るのだ。
…そう。
我らが求めていたのは。
神代の時代、人々の尊崇を一身に集めた英雄達の力を宿した現世における奇跡の存在。
……知れ。
我らが欲しかったのは。
英雄の残骸。
超人の抜け殻。
そこに超常の魂が宿ることで、我らは完全なる復活を遂げることができるのだ。
手に入れたのは、三体。
うち二体は死体、一体は魂が失われた肉人形という有様だが、何、二十年の後にはこれらを生きた十体に増やす事はできようて。
……そのための、魔法。そのための、魔導よ。
では、しばしの別れだ。
また会おう、我を殺した許されざる者達よ。
万死に勝る罪を問われ、万獄の罰を与えられ、終わりなき責め苦の中でのたうち回ることになるであろう哀れなる者達よ 」 |
長きにわたる呪詛の後、ついに肉体を維持すること叶わなくなり、哄笑と共に霧散していく、悪虐の神。
現世から、おそらくは『一時』 去りゆく虐神の言葉に歯噛みしつつ生き残ったマナレンジャーの一人、黄色の戦士が決意の言葉を口にする。
「 |
……クソが。人間を、なめるなよ。
二十年も時間を与えてられておいて、人間が、何も手を打てないとでも思ってんのか?」 |
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