うっとりと潤んだ眼で熊造に責め上げられる菊之助に見入っていたお銀とお紋はもうじっとしていられなくなったのか、自分達もそわそわと立ち上がり、吸い寄せられるように懊悩(おうのう)の極にある菊之助にまといついて行く。 |
青竹の足枷をかけられ、左右に大きく割り開いている菊之助の両方の太腿のあたりにお銀とお紋は口吻を注いだり、掌でさすったり、また、腰を上げて滑らかな腹部から胸のあたりに頬ずりしたり、舌を押し当てたり、そして汗ばむほどの口吻を示して汚辱の布をキリキリはで噛みしめている菊之助の上気した頬を唇でくすぐり始めるのだった。
「フフフ、可愛いねえ。必死になって我慢しているじゃないか」
菊之助がもはや自分の意志ではどうしようもない状態にまで追いこまれているのに、そのような狂態だけは断じてしめすものかとばかり前髪を慄わせて耐え抜こうとしているのがお銀には、いじらしく思われ、甘く胸の内が疼くのである。
「へへへ、先走りの涎なんぞ出しやがって。もうすぐおっ始めやがるぜ。用意しておくんなさい。お銀姐さん」
熊造が激しく揉み上げながら声をかけると、あいよ、とお銀は酒の席から小鉢を広い上げた。
「さ、この中にしたたらせるんだよ。いっぱい出してさ、もう菊之助も立派な男だって事をお姉様に
見せてやろうじゃないか」
お銀が含み笑いしながらそういい、身をかがませると、菊之助は真っ赤に上気した火をひきつらせ麻縄できびしく縛り上げられた上半身を力なく、くなくな左右によじらせた。
どうだ、さ、どうだ、と熊造はまた嵩にかかったように荒々しくしごき出し、菊之助は遂に耐えようのない限界にまで追いつめられる。
「うっ」
下腹部がジーンと痺れ、被虐性の甘い悩ましさを伴った快感が腰骨を突き破るようにズキン、ズキンとこみ上げて来たのだ。
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