◆ 鬼ゆり峠 ◆

SM官能小説の大家、団鬼六の代表作のひとつ。

仇討ちが返り討ちとなってしまった姉弟の悲劇を描いた時代官能小説。一部のファンの間では、
「この作品こそが
 団鬼六の最高傑作である」
と高い評価を受けている。

事実、文庫本で1300ページを越える大長編であるにもかかわらず、終始スリリングな展開を楽しむことができる娯楽性の高い作品。

物語の前半では、武芸練達の姉弟が悪党どもをなぎ倒していく活劇が爽快感あふれる筆致で描かれているため、捕縛後に延々と続く陵辱劇の悲惨さ、悪党達の執拗さに十分な説得力が持たされている。