そんな冷ややかな二人分の視線を背後から感じつつも、幸せ絶好調のマナブルーが余裕の一言で切り返す。
「……ふ。
なんだ、ただのひがみか」
そして、その後に余計な一言を付け加える。
「これだから見た目はモテ系でも……
“ 処女 ”って……ダメなのよね 」
そんな姉の言葉に、瞬間的にブチ切れる桃色の戦士。
「うっさいッ! 処女とかっ! 別に気にしてないし! 全然焦ってないし!!
んなもんいつでも捨てられるしっ!
モテるもん、私! オネーチャンと違って男なんてよりどりみどりだもんっ!」
噛みつくような妹の反撃に対し、即座に切り返す青色の戦士。
「男なんて光昭さんだけで充分だし!
つかいつでも捨てられるんなら、今すぐ捨てたらいーじゃない! 処女!
ほら、ここでッ!!
捨ててみなさいよぉ〜〜う? 見ててあげるからぁ〜〜〜♪ 」
人類の存亡を賭けた最後の戦いの最中に、とんでもなくレベルの低い身内争いを始めかねない二人の姉に対し、思わず叫ぶ赤色の戦士の少年。
「ちょっちょちょちょっ! 何やってんだよ、二人とも。そーゆーのは人類の敵をやっつけてからやってくれ!」
そんな三人の子供達を一歩下がったところで見守りながら、軽く溜息をつくマナマザー。
「困ったものね。
人類の存亡を賭けた最後の決戦だというのに、どうにもこうにも緊張感に欠けるというか……。
まぁ、そのふてぶてしさがあのコ達の強みでもあるんだろうけど」 |