熊造の毛むくじゃらの大きな手で柔らかく握られ、ゆるやかに、そして、小刻みに揉みしごかれる菊之助の肉塊は焼けた鉄棒のように熱く硬化し、抜きさしならぬ怒張を示すのだった。
「フフフ、まあ、何て頼もしい。何だか、私、胸の中心がカッカと燃えてきちゃったよ」
雲助にいたぶられて、口惜しくも肉体を怒張させてしまった前髪の美少年にとろんと欲情に溶けた視線を向けていたお銀は手にしていた茶碗酒をぐいと一気に飲んで、そばに坐(すわ)る女郎のお春やお紋に照れたような笑いを見せていうのだった。
お春とお紋は、そういうお銀に相槌を打つのも忘れて、とろんと情感にただれた瞳を熱っぽく喘ぎ続けている菊之助に向けている。
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