突き抜けるように高く青い10月の秋晴れの空。
雲ひとつなくひたすら青一色が広がっている、 ―― 理想的な青空。

……だった。
ほんの、2時間前までは。

なのに、今は大きな穴があいてしまっている。
理想的な青空に直径50メートルほどの、真っ黒な真っ黒な、深遠の闇を思わせるようなひたすらに暗い大きな穴が。

その、巨大な円状の暗闇の真下で。
大がかりな立体映像 ―― らしき何かが、徐々に輪郭をはっきりとさせて形を為している。

イソンギンチャクのようなシルエットの、高さ数十メートルに及ぶ巨大な生物を思わせる何かが。
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